2021年12月の記事一覧
研修部 「 たむら支援学校 校内研修 高等部グループ授業研究(その2) 」
高等部グループ(その2)において授業の事前検討会、研究授業、事後検討会を行いました。事前検討会では、「クラスシート・プラン」、事後検討会ではグループに分かれ、本校で作成、使用している「クラスシート・チェック」をもとに話し合いを進めました。事前検討会や事後検討会の詳しい実施の様子については、過去の投稿をご覧ください。今回は、教科等を合わせた指導の中で取り扱う教科・内容の中で、「見方・考え方」を具体的にどのような解釈をし、しかけをつくって学習活動を進めたのかについて紹介しながら、校内研修の様子をお伝えします。
【単元名】
生活単元学習「卒業後について考えよう」~後期現場実習における実習を通して~
【取り扱う教科】
職業科、国語科、情報科
【職業科の目標】 ※今回は取り扱った教科の中の「職業科」を取り上げて紹介します。
(1)職業について関心をもち,将来の職業生活に係る基礎的な知識や技能を身に付けることができる。 [知識及び技能]
(2)将来の職業生活に必要な事柄について触れ,課題や解決策に気付き,実践し,学習したことを伝えるなど,課題を解決する力の基礎を身に付けることができる。
[思考・判断・表現等]
(3)将来の職業生活の実現に向けて,生活を工夫しようとしている。
[学びに向かう力・人間性等]
各教科の内容 ※今回は職業科の目標の中で[思考・判断・表現等]を取り上げて紹介します。
高等部職業科 C産業現場等における実習
1段階 イ 産業現場等における実習での自己の成長について考えたことを表現すること。
各教科の「見方・考え方」
職業に係る事象を、将来の生き方等の視点で捉え、よりよい職業生活や社会生活を営むための工夫を行うこと。
各教科の「見方・考え方」の具体的な解釈
産業現場等における実習を振り返り、自分に必要なことに気づき、日常生活の改善をはかること。
各教科の「見方・考え方」を働かせるためのしかけ
しかけ①
なぜ仕事を行うのか、なぜ実習を行うのかを考えるために、これまでの実習を振り返る。
しかけ②
出来たことや出来なかったこと、なぜ出来なかったのかなどをフローチャートに沿って気づかせるために、実習の写真を見て振り返る。
しかけ③
出来なかったことをできるようにするために、フローチャートに沿って日常生活で気をつけることを考えて記入し、普段の生活に活かす。
【事後検討会から】
実習を振り返りながら教師とのやり取りをする中で、出来たことや出来なかったこと、なぜ出来なかったかを自分の言葉で文章にして表現する生徒の姿を見ることができました。生徒自身が学んだことをこの授業の中だけではなく、実際の実習や日常生活の中にも生かすことができるように、今後も指導をしていきます。
研修部 「 たむら支援学校 校内研修 小学部高学年グループ授業研究 」
小学部高学年グループにおいて授業の事前検討会、研究授業、事後検討会を行いました。事前検討会では、「クラスシート・プラン」、事後検討会ではグループに分かれ、本校で作成、使用している「クラスシート・チェック」をもとに話し合いを進めました。事前検討会や事後検討会の詳しい実施の様子については、過去の投稿をご覧ください。今回は、「クラスシート・プラン」の項目の1つ『教科の見方・考え方を働かせるためのしかけ』について紹介しながら、校内研修の様子をお伝えします。
【教科等名・段階等】 小学部体育科 3段階 機械・器具を使っての運動
【単元名】 機械・器具を使っての運動「マット運動」
【単元目標】
(1)マットを使っての基本的な運動の楽しさを感じ、その行い方を知り、基本的な運動を身に付けることができる。
[知識及び技能]
(2)マットを使っての基本的な運動の行い方を工夫するとともに、考えたことや気付いたことなどを他者に伝えることができる。
[思考・判断・表現等]
(3)きまりを守り、自分から友達と仲良く楽しくマットを使っての基本的な運動をしたり、場や器械・器具の安全に気をつけたりしようとする。
[学びに向かう力・人間性等]
【事前検討会】
〇 本校で作成、使用している「クラスシート・プラン」をもとに話し合います。
〇 目標の妥当性、教科の「見方・考え方」を働かせるための「しかけ」、具体的な生徒の姿のイメージ共有をグループ内で話し合います。
【研究授業の様子】
〇 体育科の見方・考え方を働かせるための「しかけ」についてお伝えします。
体育科の「見方・考え方」
運動やスポーツを、その価値や特性に着目して、楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え、自分の適性等に応じた『する、みる、支える・知る』の多様な関わり方と関連付けること。
本単元における「見方・考え方」の具体的な解釈
マットに背中をつけたり、転がったりする運動を通して、運動の楽しさや技を習得する喜びを味わいながら、自分の得意な技を表現する。
しかけ①
技の名前を覚えたり、動きのイメージをつかんだりすることができるように、技カードの提示や教師の模範演技を見せる。
しかけ②
技のポイントや動きのイメージを理解することができるように、動きに応じたオノマトペを用いて言葉掛けの支援をする。
しかけ③
自分の得意な技を表現することができるように、発表の場を設ける。
【事後検討会の様子】
〇 グループに分かれ、本校で作成、使用している「クラスシート・チェック」をもとに話し合いました。「知識及び技能等」、「思考力・判断力・表現力」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点の目標を達成したか、そしてそのしかけは有効だったかを児童の様子から検討しました。
〇 しかけ①については、教師の模範演技や技カードをよく見ていて、動きをまねしながら取り組む姿が見られ、手立ては有効であることが話し合われました。
〇 しかけ②について、技のポイントとなる言葉を言いながら練習に取り組んだり、絵カードを手掛かりに「くるん」を頑張ったことを伝えたりする姿が多く見られたことから、有効であると話し合われました。
〇 しかけ③について、自分から発表に取り組んだり、できた時に自分なりの表現をしていたりする姿が見られ、発表することが好きな対象児にとって今後の自信につながるのではないかと話し合われました。
〇 今回の授業では、「知識及び技能等」で検討の余地はあるものの、3観点の目標はほぼ達成しているという話し合いになりました。
〇 目標の達成度に応じて、次時の課題や授業のアイディア等を出し合い、授業改善につなげていきます。